少し前から弊社の一部社員の間で静かな人気を博していた純喫茶「西洋乞食」に行って来ました。
工業地帯の街「倉敷市 水島」。
大型車が行き交う幅広い道路から一歩内側に入った裏通りにその店はありました。
古き良き“日本の純喫茶”をそのまま形にしたような容姿。
これは入店する前からそれなりの覚悟が必要です・・・。
入り口に続くアプローチも手すりに沿って車輪が陳列されており、非常に個性的な空気を醸し出しています。
一階が駐車スペースになっており、常に鎮座しているクラシックカーを含め2〜3台は停める広さです。
店の看板(新/旧)
旧式は何とも形容しがたいシュールなオブジェに対し、新しくなった看板は“漫画喫茶”要素が漂っています。
お店から放たれる異世界感から現世に戻してくれる働きを十二分に発揮していました。
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入り口に近づいても開店しているのか、人の気配を含む生活感を感じる要素がなく扉を開けるまで「閉店してるのかも・・・」と思わせるほどの静けさ。
意を決してドアを開くと薄暗い店内。
明るい外の世界から目が慣れるまで少々時間がかかりました。
入り口付近のテーブル。
レトロなイメージでなんか良いかも・・・
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と、思ったのも束の間。
店の奥に向かい視線を流してしばらく絶句・・・
大きな木材と暖かなオレンジの光源で構成された10畳ほどのスペースにビッシリと置かれたアンティークな置物の数々。
ひとつひとつのオブジェを視覚でカウントしようとしましたが、あまりの物量と情報量の数にあっさりと断念。
しばらく無言のままゆっくりと奥へと歩みます。
いったいいつから、どのくらいの時間を掛けて入手したアイテムなんだろ?と月並みな疑問が浮かんでは消えます。
お店の厨房には40代の女性が調理の用意をしており手慣れた手つきで食器を並べていました。
もの珍しそうに店内の隅々までキョロキョロしている我々を観察する気配は特になく、その平常心を保った物腰からここへ初めて来た人達のリアクションにはすでに慣れてしまっていることを物語ります。
壁にはやたらとクラシカルな時計が掛けられており、非日常的な演出をするために一躍買っています。
今はなかなか見掛けることができない「ピンク色の公衆電話」も常備。
ブースもこの店ならではのアレンジが加わり、気が付けば隅々まで観察していました。
古き良き喫茶店の味そのままで店内の雰囲気を壊すことなくどこか懐かしい風味。
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青色のソーダ水の上にはみ出る形で乗せられたバラの花。
バニラアイスを器用に重ね合わせて構成されたその造形美に感心すると同時に、なかなかスプーンを付けられないジレンマにモヤモヤします。
結局、溶け出すギリギリまでその容姿を堪能して口に運びましたが、アイスもソーダ水も妥協のないアレンジの効いた味でした。
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開店時間に来店する機会がなかなか無いため食事を含め約2時間以上の滞在時間でした。
ウワサには聞いていましたが実物は想像以上。
次に足を運べるのは一体いつになるのか・・・ 日曜/祝日が定休日なのが心より悔やまれます。
店内の圧倒的な別世界感を堪能しながら食事とクリームソーダで約1,000円。
ちょっとした心の洗濯に丁度良い体験でした。
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【西洋乞食 (セイヨウコジキ)】
喫茶店、ピザ、スイーツ(その他)
TEL:086-445-1777
住所:岡山県倉敷市水島西栄町12-27
定休日:日曜/祝日