力業で組み立てた「鉛筆キャップロケット」を、誰もいない冬の浜辺で飛ばしてきました。
※火気を扱う事になるため十分にご注意ください。
※万が一の場合に備えての消化手段は準備した上での実験です。
火災・事故につきましては一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
前回のお話はコチラから↓
「発射台」を作る
ロケット本体に角度を付けて飛ばすための発射台の作ります。
まずは太目の針金を用意。(ある程度の強度さえあれば、素材は問いません)
ペンチを使ってロケットを支えられる形状に曲げていきます。
簡単な作りですがまっすぐかつ遠くへ飛ばすには重要な役割を担います。
燃料(セルロイド)の詰め込み
ここに来てようやく使う場面がやってきた「セルロイド」。
手始めにギターピック半分ほどの量を使ってみます。
ハサミで細かく切って2mmほどの正方形に加工。
慎重にロケットの中に詰め込んで、
ペンチで入り口を摘んで封印。
中身がこぼれない程度の穴を開けておくのがポイントだそうです。
なんとなく「噴射口」を彷彿とさせるビジュアルとなりました。
これで本体の下準備は完了。
たった5cmほどのロケットに思わぬ時間と労力を費やしました。
発射する時のビジュアル ↑
ロケット本体をロウソクの炎で熱すると内部のセルロイドが発火点に達し炎上。
そのエネルギーを推進力にして飛んでいくようです。
この時点では話で聞いた程度なのでどんな事が起きるのか想像がつきません。
怪我や火事等のトラブルだけは確実に避けたいので実験の場所も慎重に選びたいと思います。
第一回 発射実験
記念すべき最初の発射実験。
舞台に選んだのは誰もいない冬の海。
地元ではロケット花火の打ち上げにも利用されており、敷地も広いため最適な場所と判断。
海水浴シーズンも大幅に外しているので人目を気にすることなく実験に専念できます。
(と思いきや、遠くの方で高校生らしきカップルが何か話をしてえらく喜んでました)
(´-`).oO(いいなぁ・・・)
発射台が反動で転がらないように石で固定。
熱源となるロウソクも設置して準備は完了です。
周囲のロケーションが最高過ぎて「絵はがき」にも使えそうな構図です。
(被写体がなんなのかはまったく理解してもらえそうにありませんが・・・)
いよいよ点火
この日は海からの風が強かったため、流木を拾って風よけに使用。
キャンドルではまったく火が着かなかったので、急遽ティッシュを丸めて対処します。
5分ほど熱するとロウソクの炎が大きくなり始めました。
「もっと火力を!」と思った次の瞬間、噴射口から勢いよく炎が吹き出しました!
いよいよ飛び立つのか!? と緊張が走ります。
飛んでいく様を・・・ とうとうこの目で確認できる瞬間が来ました!
っしゃ!
・・・おん?
飛び立つどころか炎の勢いがどんどん小さくなっていきます。
(;´Д`).oO(嫌な予感・・・)
それから10分ほど見守りましたが事態が好転することもなく・・・
結果としてこの日ロケットが空高く飛ぶことはありませんでした。
燃料の量?
噴射口の形?!
いったいどの行程がダメだったのか?
美しい弧を描いて飛んでいくことばかり想像していたので「失敗」の文字は頭にありませんでした。
今回の結果は空しさ通り越して悔しさでいっぱいです。
「苦労して作ったのに、遠くに飛んでしまったら回収は不可能だよな〜」
と思っていたロケット第一号は黒焦げになったのみで手元に残りました。
成功への道のりの切ない1ページです。
実験でわかった事と今後の課題
・本体を熱するための安定した熱源が必要(&防風対策)
ロウソクでは火力が弱く、かつ横風に煽られるとすぐ火が消えてしまいます。
・燃料の増加
燃料庫に引火して一時的に火の勢いは増したものの、飛び立つには全然足りていないように感じました。
・噴射口の形状
内部エネルギーの圧力を地面に叩きつけるには噴射口が大き過ぎると判断。
次回は極めて細い噴射口に変えてみたいと思います。
次回は反省を踏まえ改良を加えたモデルの制作→発射実験に挑みました。