前回に引き続き、ZIPPOに最適な中身を検証してみます。
前編の内容はコチラから
目次
行う実験の内容
【1】写真の状態で湿気のない乾燥した部屋に保管。
【2】毎朝8時にライターを着火、5秒経過してから蓋を閉める。
2種類の上記の方法を行い、写真を記録していきます。
実験その1「オアシス」
1日置いたこともあり、内部のオイルが安定したお陰か「オアシス」の方は火が安定しています。
綿の方も相変わらず炎の勢いは激しい様子でしたが2日目から急変。
長く安定した炎の柱が上がる「オアシス」に対して苦しそうな状態が続きます。
5日目以降の状態
それから緩いカーブを描くように「綿」の方は【11日目】で火が着かなくなりました。
ユニットを取り出して中身を確認。
取り出して直接「綿」に触れてみましたが「湿り気」は皆無でした。
オイルが完全に揮発してしまった状態です。
まだまだ頑張る「オアシス」
引き続き「オアシス」ZIPPOの経過を見守っていきます。
【15日目】を経過した時点で終了となりました。
「綿」=11日 に対して 「オアシス」=15日
約1.5倍 の差が出ました。
蓋を閉めて再度点火すると数秒着火してゆっくりと炎が消える状態 が何度も起こります。
同じシチュエーションにおいて「綿」は着火すらできないため結果は「オアシス」の圧勝。
その後、数回「着火 → ゆっくり消える」を繰り返した後、火花のみとなりました。
中身の状態を確認。
驚くことに若干のオイルが残っていました。
ウィックの蛇行具合さえなんとか工夫すれば、もう少し燃焼時間は延びたかもしれません。
ケースから取り出して再度確認。
「グッ」と指先に圧力を掛けるとオアシス内からZIPPOオイルが染み出してきました。
想像以上の保水能力の高さに感動すら覚えます。
実験その2「フェルト」
「綿」に対して【体感 1.5倍】にオイルが持続すると定評のある(※個人調べ)「フェルト」を用意しました。
100円ショップにて購入したフェルト生地 ↑
軽く揉みほぐしながら細長い短冊状に割いていきます。
割いた「フェルト」 ↑
なんだか生理的にゾワゾワします・・・
隙間を無くすように「フェルト」をしっかり詰めていきます。
(´-`).oO(植毛・・・)
若干のマージンを残した方が良いと判断したため、容量に対して8割くらい詰め込みました。
続いてZIPPOオイルを注入。
オアシスと同じく「70ml」でオイルが染み出しました。
「オアシス」と同じく【9日目】を過ぎても安定した炎が上がります。
それから【16日目】まで安定した炎が続き、【17日目】で勢いが落ちました。
最終的に【18日目】で終了。
「オアシス」より3日長い結果に驚きです。
実験その3「オアシス+フェルト」
「綿」以上の好タイムを出した「オアシス」と「フェルト」の混合(1:1の割合)で実験を行います。
どちらも良い結果を出したもの同士のため期待が高まります。
意外なことにオイルの容量は「60ml」で打ち止めでした。
開始早々、炎に勢いが全然ありません。
【6日目】を経過した時点でも状態は変わらず・・・
そして【10日目】に終了。
期待に反して「綿」とほぼ変わらない結果です。
さすがに納得がいかずもう一度挑戦しましたが結果は変わりませんでした。
実験その4「オアシス」2回目
現在の時点で一番の成績を残した「オアシス」。
1回目の実験では“ふわふわ”な状態であまり圧をかけず詰め込みましたが、今回は“ギュッ”と圧縮して様子を見てみようと思います。
検証実験もこれが最後、自然に期待が高まります。
「オアシス+フェルト」と同じく60mlの時点でオイルが染み出しました。
なんだか嫌な予感がします・・・
なんとなく想像していたとおり「オアシス+フェルト」と同じような状態が続きました。
そのままユルユルの炎が続き、【11日目】で終了。
今回の検証結果
「綿」
オイル容量:80ml 持続時間:11日
「オアシス(ふわふわ)」
オイル容量:70ml 持続時間:15日
「フェルト」
オイル容量:70ml 持続時間:18日
「オアシス+フェルト」
オイル容量:60ml 持続時間:10日
「オアシス(圧縮)」
オイル容量:60ml 持続時間:11日
容量と時間の割合を見て「フェルト」の圧勝でした。
一度洗った状態で実験すれば、また違った結果になるかもしれません。
時点で「オアシス」。
どちらの吸水媒体も「保水量」があと一歩な印象。
これは詰める量や圧縮の仕方でなんとかなりそうなので今後の改善に期待が高まります。
【今回わかったこと】
ZIPPOの中身で一番最適な素材は「フェルト」
おまけ
ZIPPOオイルの浸食性
実験で使用したプラスチックの透明容器にZIPPOオイルを入れて1週間ほど放置していたのですが、
表面がオイルに浸食されてボロボロになっていました。
まるで旋盤で削られたような傷が、年輪のように刻まれています。
もの凄い浸食の力を目の当たりにして、ZIPPOオイルの取り扱いには十分気をつけたいと心から思いました。
ZIPPOライターの揮発性
蓋をした状態のライターからどれくらいのオイルが揮発しているか気になったので、
オイルを充分に補填したZIPPOライター本体と蓋の隙間の部分にティッシュを当ててみました。
5秒ほどでじんわりオイルが染み出してきました。
指で触わると冷たく感じる程度に染みています。
「蓋を開けて着火」を行わずとも、常に微量のオイルが漏れ出しているということが証明されました。
今後の課題は「ライター本体の機密性」をいかにして高めるか? に焦点を当ててみようかと思ってます。