気に入っているペンのグリップ(持ち手)の仕様が気になっていたので、木材を削り出して自作してみました。
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ベースとなるペンは、“プラチナ萬年筆製 のシャープペンシル「オレーヌ」ブラック MOL-1000#1”
筆圧が高く書く度に芯をバキバキ折ってしまう自分には無くてはならない存在です。
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持ち手の部分にゴムのような素材が使われており“ 経年劣化 ”が心配なのと“ もう二回りほど軸の太さが欲しい ” との欲求を常々抱えていました。
「この部分をどうにかできないものか?」と模索したところ
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(´-`).oO(うん、作ろう)
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と、いつもの流れで自作することになりました。
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今回グリップを作るために使用する素材の「紫檀(したん)」
鏑木(かぶらぎ)の一種で非常に硬く、木材が密に詰まっており「仏壇」や「高級家具」などに使われる木材です。
寸法は150×18×18(mm) ホームセンターにて267円(税込)
グリップに必要な長さを計測して、少しだけ長めにカット。
「ボール盤」を使って垂直な穴(直径1cm)を開けていきます。
続いて「小刀」を使用して側面を荒めに削り「円柱」に近づけていきます。
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ボール盤で開けた穴にペンが抵抗無く入るかを確認するため仮組みしてみました。
ペンの精巧な作りに対して、ゴツゴツで無骨なペン軸とのギャップが作品の「未完成さ」を主張しています。
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穴の径が軸に対して適切だと判断したため、外側を滑らかにしていく行程に入ります。
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大胆に面取りを行っていった前半戦とは異なり、少しずつ丁寧に円柱を成形していきます。
作り始めた頃に比べて大分「ソレ」っぽくなってきました。
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最初に開けた穴に沿って“平均的な厚み”が要求されるので「確認しては削る」を繰り返し、細心の注意を払いながらの作業。
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途中で軽く握って自分好みの太さに調整していきます。
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再びペンに取り付け。
削っていく行程で “ 手から出た脂 ” が木材に染んだため、マット木材にわずかな光沢が出ています。
これはこれで味があって良いかも・・・
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“10cm径の木材 ”にペン軸を差して固定してのヤスリがけ。
紫檀は荒めに削ると欠けやすい素材なので“中目”からヤスリ掛けをスタートしていきます。
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軽くヤスリをかけただけで面が滑らかになっていきます。
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全体的なヤスリがけが終了。
ここまで来ると早く仕上げたくて気持ちが焦り始めます。
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ペンに装着して全体像を確認。
マットな質感がなんとも良い具合で「これで完成!」っと言っても全く問題なさそうです。
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薄くニスを塗っては乾かして、1000番の紙やすりで磨くこと3回。
美しい木目が浮かび上がりました。
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光沢 + ニス引きの効果でパーツ単体でもなかなかの存在感。
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中のトンネルとの厚みは約1mm。
強い力で摘めば割れてしまいそうな薄さに掴む手が震えます。
中側もヤスリでしっかりと磨いているので本体への取り付けもスムーズに行えました。
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ニスが完全に乾いたことを確認して組み立てれば完成!
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【Before】
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【After】
グリップを変えただけで全然別物に見えます。
もう少し濃い目の茶色にしておけば「元からそうだった」と言っても信じてしまうレベル。
(あまりに木目が綺麗なため、傷が付くのを恐れてしばらく使えませんでした。)
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ニスを乾かす時間を除けば半日で作れるDIYですが、“ 垂直な穴 ”を開けることが絶対条件のため「ボール盤」のような工具が必要になります。
敷居は高めですが「元々お気に入りだったペンに自作パーツが加わる」ことで愛着が増すことはお墨付きなので、この夏に挑戦してみてはいかがでしょうか?・
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