シャビー加工を施したアンティークな椅子を作ってみる -加工編-

前回制作した椅子にシャビー(汚し)加工を施していきます。

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塗装を控えた段階になり、ふと「このまま無塗装で使っても問題無いんじゃないか?」

と初心が揺らぐこと数回・・・。

この状態で使っていくのもアリですが、今回は「塗装」のその先が核となるテーマなので、

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気の迷いを断ち切るが如く、豪快に「オラァ!」

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一度ペンキが付いてしまうと今までの迷いは一瞬で消えました。

「塗り始めたからには綺麗に仕上げる!」と腹をくくり、テンポ良くペタペタ塗っていきます。

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作業開始から20分程で1度目の塗装が完了。
(※フタの部分はこの段階ではまだ分離したままです。)

蝶番に使った革の箇所が少々テカるのがちょっとだけ気になる・・・

(´-`).oO(今になって思えばアルコール塗料を染みこませた方が良かったなぁ・・・)

さまざまな物思いにふけながら塗料が乾いたところで2度目の塗装を施していきます。

 

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事前に練習用として製作した椅子(奥側)と一緒にパシャリ。

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フタパーツを仮置きして、完成のイメージを確認。

これはこれで・・・ 良いな・・・。

もうこのまま「完成!」で良いんじゃね?

と、何度か経験済みな“ 気持ちの揺らぎ ”を必死に抑えます。

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一通りの作業を終え、風通しの良い場所で完全に乾ききるまで放置します。

今後は「削る作業」を中心に行っていくため塗料がしっかりと乾いている必要があるため、作業の手を止めて晴天の空の下で充分に乾かします。

〜 2日後 〜
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風通しの良い場所と快晴の天気のお陰もあって完全に乾きました。

塗料の化学変化も終わったようで刺激の強かった溶剤の匂いも軽減されています。

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さて、ここからが「真の本番」です。

手始めに80番手のサンドペーパーを強く当てて荒めに擦ります。

全体を擦ると“使用感”が損なわれるので「角の部分」を中心に、削る力に緩急を付けて削っていきます。

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「あともう少し削りたいな〜」と思うところで作業の手を止めます。

ここで“踏み込んだ削り”を入れてしまうと仕上げの段階で全体のバランスが調整がし辛くなります。

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固い木の部分は木工用のヤスリを「コリッコリッ」と擦って塗料を落としたり、木材を削りこみ欠けさせて様子を見ます。

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各部分「あともう少し(略)」という気持ちで止める を繰り返していきます。

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広い面に対してはヤスリの先端で傷を入れていきます。

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あくまで「自然に出来た傷」を演出するのは少々コツが必要なため、不要な木材を使用して何度か練習をすることをお奨めします。

〜 次の日 〜
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会社の昼時間を利用して作業を再開。

思うがままにゴリゴリっと削り全体のバランスを見ていきます。

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前日に施した“大まかな削り”の箇所に紙ヤスリを当て、綺麗に塗装された面に馴染ませる行程をひたすら繰り返していきます。

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遠くで社員数名に見守られながらの作業ですが

(´-`)(´-`)(´-`).oO(また何かやってる・・・)

と、こちらとしては慣れ親しんだ視線なので全く気になりません。

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仕上げの段階における削り作業は「これ以上やって大丈夫?!」レベルまで行ってください。

中途半端に止めてしまうと次の“汚し行程” にてダメージの風合いが負けてしまい、加工そのものが「どっちつかず」なものになります。

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「ヤスリで大きく傷を作り、サンドペーパーで馴染ませる」

コツを掴むまでは削り作業は怖いものですが、「思い切って大胆に行う」のが一番手っ取り早いかもしれませんね。

途中何度も不安になりましたが、全体のバランスに気をつけて行えば木目の雰囲気と相まって自然な塗装の剥げを作ることが出来ます。

個人的な判断ですがここまではわりと順調。

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このタイミングで本体とフタの部分を釘で固定。

次は「汚し」の行程に入ります。

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用意する塗料は「オイルステイン(油性)」

しっかりと色が付き、揮発/速乾性があるためシャビー加工には欠かせません(※個人的意見です

ただし、さじ加減を見誤ると今までの苦労が帳消しになるレベルの失敗に繋がるため取り扱いには慎重さが要求されます。

 

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ハンカチのように目の細かい布よりも、荒い目の生地を推奨。

今回は捨てる予定だった靴下(洗濯済)のリブ部分を使用します。

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ステインを少しだけ(←ココ凄く重要!)付けてから塗料の付いていない乾いた布で拭き取ります。

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とりあえず、すぐ乾く(本当に一瞬です)ので事前に何度か練習を行ってください。

基本的に一度塗った箇所は上からペンキを塗る以外では修正が効かず、塗ったところでその箇所に違和感が出るだけなので実質一発勝負の世界です。

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少量付けて、拭き取って伸ばす を繰り返すこと30分。

ようやく全ての行程が終わりました。

 

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隅々までシャビー加工を施すことで使用感が醸し出されており、ぱっと見では数日前に作られた椅子(新品)には見えません。

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左から「無地組み立て後」、「塗装後」、「シャビー加工後」。

正直どの段階で「完成」と判断しても問題なく使えそうですね。

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雰囲気が良かったためイメージに合う倉庫を選んで“ソレっぽい感じ”で撮影。

砂埃舞う床と無機質な倉庫の壁が椅子の存在を高めるのに一役買っています。

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奇しくも緑のジャケットを着ていたデザイナーのMさんを座らせての一枚。

これも見方によってはファッション誌のひとコマみたいで素敵です。

(´-`).oO(椅子・・・ほぼ見えてないけどね )

今回は木材レベルから新規で作ってしまいましたが、シャビー加工の工程は「既存の家具」に対しても行えるので、アレンジの一例として試してみるのもアリかもしれません。(※数々の失敗を経ての記事なので、実践する際はあくまで自己責任でお願いします

【 ~ 後 日 談 ~ 】

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椅子に合わせて机も自作してみました。

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子供用の成長に合わせて高さを調節できるように、その気になれば分解できる工法で作成。

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6畳の部屋にぽつんと机と椅子が設置されるだけで、ここの一角だけがちょっとした教室のようになりました。

そのうち机も汚し加工を・・・と思っていましたがこの風合いのままでしばらく様子を見てみようと思います。

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