私用で椅子を作る必要があったため、以前からやってみたかった “シャビー加工 (汚し加工) ” を施してみました。
※写真は加工前の状態です。
シャビー加工=使い込んだような経年劣化を意図的に施す加工法(木材の欠け、塗装のスレ、汚し等)
ニスを引いた光沢仕上げとは違う「味」があり、その独特の風合いから見た目のアンティークレベルが倍増しに向上します。
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今回は「低価格かつ手軽に」をコンセプトに設計を開始・・・
・・・したのですが、いつも通り「手軽に」の部分は完全無視で突っ走ります。
手始めに頭の中にイメージした形をノートにスケッチ。
座る部分を小物入れに使えるよう開閉式、もしくは引き出しにする想定で筆を走らせていきます。
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近所のホームセンターにて「白木材」を購入。(材料費:965円)
スケッチから起こした“必要パーツの寸法”と照らし合わせて木材をカットしていきます。
カットしてはヤスリで滑らかにしていくこと30分。材料となる部品が一通り揃いました。
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仮置きしてカットミスが無いか確認。
ここまでは想定通りに進んでいます (´-`).oO(ホッ)
まずは“背もたれ”の部分をジグソーを使用してアーチ状にカット。
その後ヤスリ掛けをして、“当たり”が滑らかになるよう加工していきます。
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続いて“小物入れ”として使う部分をクランプで固定して木工用ボンド(速乾)にて接着。
底面にはベニヤ板を使用します。
この部分は普段使いではそう目に触れる箇所でないため、見栄えよりもコスパを重視。
(無垢の平板は価格が一気に増すため、どうしても“MDF”か“ベニヤ板(or集成材)”になりがちです)
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箱部分の組み立てが終わったら椅子の脚を接着して再びクランプにて固定。
ボンドが完全に硬化するのを待ちます。
完全に接着されたことを確認して固定作業に入ります。
いつもならば「木ネジを締めて固定」で終わりなのですが、今回はひと手間かけて「隠しネジ」式にしてみたいと思います。
用意するのは木ダボドリル(完全に貫通させる目的でなく、ある程度の深さの穴を空けることができるドリルです)
今回使用したドリルで“直径1cm、深さ約1.5cm程の穴(ダボ穴)”を空けることが出来ます。
その後、空けた穴の中に木ネジを入れて締めていきます。
続いて1cm直径の棒材を約2cm〜3cm程の長さにカットしていきます。
カットした棒材(ダボ)の先端を小刀で丸く削り落とします(鉛筆削りの簡易的な加工)
丸くした先端を先ほど空けた“ダボ穴”にギュッと詰めた上で打ち込み。
金槌を使用すると型崩れの恐れがあるため、木槌を使用して軽い力で打ち込んでいきます。
「これ以上奥に打てない」と軽い抵抗を感じたところで作業は終了。
ノコギリを水平にして、突出した部分ギリギリのところをカット。
ノコ刃をスレスレで引いたため、擦れ傷が付いてしまいますが紙ヤスリを使用すれば滑らかに消えていきます。
慎重にヤスリ掛けすることでダボ先端の荒落としと併用して、面の一体感が増すためこの行程は丁寧にすればするほど完成度に繋がっていきます。
※ただし今回は最終的に“ダメージ加工”を施すので必要最低限のヤスリ掛けに留めました。
木ネジで固定する箇所全てにこの行程を施していきます。
(この作業が地味に大変・・・)
背もたれの部分も同じ処理にて固定。
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小物入れパーツと組むと一気に「椅子感」が増します。
「隠しネジ」の行程は手間と時間が掛かってしまいますが、見た目のクオリティーがワンランク上がるため、余裕がある場合は是非オススメしたい工法です。
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「想像していたより良い雰囲気の椅子が出来そう!」とモチベーションが上がったところで、腰を下ろす部分の仕上げに入ります。
通常ならば天板を釘を打ち付けるのみで完了する部分は「小物入れ」としても使用されるため、巻き込むような形の天板(お風呂のフタ式)を作成します。
閉じるとこんな感じ。(一見ふつうの椅子ですね)
開くとこう。
(´-`).oO(今更だけどこの部分に何を入れる想定で作ってるんだろ・・・)
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稼働が必要な部分は“金属製の蝶番”の使用を考えましたが、開閉時の融通が利き辛いと判断して「厚手の革」を採用。
木材の縁にノミを当てて溝を掘り、適正にカットした革を釘で固定していきます。
天板を仮置きして恐る恐る天板をめくって確認していきます。
お、思っていたより良い感じ!
ぶっつけ本番の処置でしたが、理想的な形で収まりました。
懸念していた繋ぎ手の強度も問題なさそうです。
試験的に座ってみましたがグラつきも無くしっかりとした座り心地。
白木材を採用したため、控えめな木目が実に素朴でずっと見ていて飽きません。
無地の状態で塗装すること無く「このままの状態でも問題ないのでは?」と微かに頭をよぎりましたが、今回の最終目的は「シャビー加工」なので気持ちを新たにリセット!これから“塗装”→“ダメージ加工”へと入っていきます。
思いのほか制作行程に尺を使ってしまったので今回はここまで。
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