以前記事にしたパラコードを利用したハンドスピナーの作り方をご紹介します。
まずは下準備(ベアリングの加工)から。
作り方をご紹介するのはこの2種類 ↓
4枚刃のハンドスピナーと、
3枚刃のウエイト付きスピナー。
どちらもパラコードを使用してスネークノットで編んでます。
↓スネークノットの編み方はコチラから↓
まずはベアリングの加工から
まず手始めに「ベアリング」を加工して回転の核となる「コアユニット」を作っていきます。
回転時間を延ばすため、大きめのベアリングを用意しました。
購入したベアリング ↓
NSK製ミニチュアベアリング スチール 両シール付 635ZZ
( 内径5mm×外径19mm×幅6mm)
Amaz○nにて購入。1つ約200円でコスパは最高!
開封して軽く弾いてみます。
ほぼ回転しません。
回した瞬間にもの凄い抵抗を感じるので、おそらく油が注入されていると思われます。
ベアリングシールド(封印タイプ)の外し方
とりあえずシールドを外して内部を洗浄しないと始まらないご様子。
早速ベアリングシールドを外してみます。
この手のベアリングはこれまでご紹介した種類と異なり、基本的にシールドの取り外しができません。
一般的なベアリングシールドの取り外し方はコチラ↓
取り外すことを前提に作られていないのでシールドを「剥がす」形で取り除きます。
隙間にカッターナイフを差し込んで慎重に広げていきます。
※先端が折れて飛んで来る危険性があるので、防塵メガネや防護マスクをして作業を行ってください。
「グイッ」と押し込むと意外と簡単に隙間が開きました。
1mmほどの穴を開けたら、ニッパーの先で摘むようにして慎重に穴を広げていきます。
※鉄粉や細かい金属カスが内部に入ってしまうため、細かく切り刻むのはNG!
シールドを少しずつ歪ませて、開封する際の抵抗が薄れたところでラジオペンチで摘み上げましょう。
これで取り外し作業は完了。
グリスびっしりな脱脂作業
シールドを開封したベアリング↑
回転させる時に発生していた抵抗の犯人は「粘度の高いグリス」でした。
ボールをコーティングするかの如く、びっちりと隙間無く注入されています。
小瓶にZIPPOオイルを浸してシールドを外したベアリングを投下。
軽く振ることで内部のグリスを除去します。
ベアリングのサイズが大きいため、ガラスにぶつかる音が激しく
「割れないかな?コレ・・・」とビクビクしながら振りました。
数回振っただけでこの濁りよう・・・
かなりの量が溶け出しています。
この後、ZIPPOオイルを2回入れ替えて脱脂作業が完了。
ピンセットで固定して弾いてみます。
軽く弾いただけで1分弱回りました。
精度はさすがのNSK製!
軽視できないコアユニット
「コアユニット」と横文字を使ってオサレ感を出してますが、結局は「摘む部品(持ち手)」です。
市販品のハンドスピナーには当たり前のように備わっており、
自作したパラコードのスピナーはこんな感じ ↓
直に摘んだ状態で回すと、指がベアリングに当たり回転力が低下します。
そこに「持ち手」を追加することで、粗雑に扱っても回転力を削ぐことなく回し続けることが可能となりました。
そんなこんなでホームセンターを駆け回り、比較的手に入りやすい素材で作ってみます。
用意する物は、
「M5サイズのネジ(低頭が好ましい)」
「ワッシャー2枚」
「M5サイズのナット(ベアリングの内部が隠れる大きさ)」
まずは「ボルト」に「ワッシャー」を通します。
※この「ワッシャー」は脱脂作業のため破壊したシールドの変わりとなるため、なるべくベアリングと同等のサイズを選んでください。
次に、シールドを外して脱脂したベアリングを装填。
その上に再度「ワッシャー」を被せて「シールド」を形成します(少しくらいの隙間は空いていてもOK)
その後、ナットを締めて封印したら完成!
持ち手ができたことでベアリングの回転力が安定しました。
地味な行程ですが、あると無いとでは今後の扱い易さに大きな差が出てきます。
少し変わったパラコードの加工法
次はベアリングを “脱着させる” ためのパーツを作り方。
パラコードの表面を炙ってカチカチに加工していきます。
まずは好きな色のパラコードを用意。
コードの中身をすべて抜き出します。
ベアリングに巻き付けて「2周した長さ」でカット。
カットした箇所を中心にバーナーで炙り接着していきます。
全体を焦げ目が付かないよう注意しながら、左右ゆらして炙ります。
※このとき火傷に注意してください。
全体的に溶けて色が濃くなったらOK !
フワフワと弾力のあるパラコードが、飴のように硬質(カチカチ)な手触りになります。
カッターナイフで余分な先端を切り落として、
膨らみがちな先端に狙いを定めてバーナーで加熱。
ドロドロになった先端に平たい金属片を軽く押し当てます(今回はハサミの先端を使いました)
平たくすることで円周の太さが均一となります。
回転する際、適切な重量配分は無視できないため、この行程は慎重に行いましょう。
ベアリングを回転させて「ブレ」が起きないレベルまで調整ができたら作業を止めます。
充分に余熱を冷ました後、ベアリングを押し込んで取り出すことができたら完成!
何度か抜き差しを繰り返して充分な強度的が確保できているかを確認してください。
※炙りが甘いと解けますし、必要以上に熱するとバリバリになって崩れます。
最後にパラコードの幅に切った強力な両面テープを用意して、
先ほど作った「焼き固めたパラコード」に巻いていきます。
これでハンドスピナーの核となる中心パーツが完成しました。
長くなってしまったので今回はここまで。
後編の「制作編」に続きます。