少し気になっていた「謎アイテム」ハンドスピナーを作ったり、いじり倒してみたりしてみました。
目次
ハンドスピナーてなんじゃらほい?
5月某日のことです。
「ハンドスピナーって知ってます?」
デザイナー兼カメラマンのKさんが笑顔で問いかけてきました。
(´-`).oO( ハンドスピナーねぇ・・・ )
【ハンドスピナーの説明】(一部偏見アリ)
指先や机の上で回す独楽(こま)のようなもの。
金属やプラスチックで出来た本体の中心部に「ベアリング」を搭載しており、軽い力でもギュンギュン回る。
遊び方は「ただ回すのみ」という謎アイテム。
いつ誰が火を着けたのかは不明であるが、最近やたらと種類が増え続けており少しずつ認知されるようになってきた(ような気がする・・・)
価格は3千円を超えるものから500円を切るものもあり様々。
年末には記憶に残っていないレベルまで廃れるのではないか?と個人的に思ってる。
海外でブームになっているらしく、民放のニュース番組でも見かけて気になっていた時期もありました。
しかしヨーヨーのように技があるわけでなく、ただ「回転させるだけ」のアイテムという認識のため個人的にはなかなか食指が延びません。
正直なにが面白いのか理解できねぇ・・・。
Kさん曰く、youtubeで公開されている自作ハンドスピナーの動画を見たようで、
「ウチの会社でベアリングといえば・・・」
といったノリで声を掛けてくれたみたいです。
Σ(´-`).oO(これは!なんかよくわからんが期待 ・・・されてる?)
ただの日常会話を振られたレベルの出来事ですが、これはなにかの「フリ」だと過大に受け止めてこれから自分がなにをすべきかを考え始めました。
幸いにも使わなくなったベアリングは大量にあるので、
「ちょっとだけ・・・」(←いつものフラグ)と軽い気持ちでチャレンジ。
パラコードで自作してみた
youtubeで「ハンドスピナー」や「Handspiner」で検索すると大量にヒット。
その中でパラコードで作成したタイプのものが複数あったのでとりあえず作ってみました。
十字だし太目の紐で編まれてるしでなんだか「手裏剣」っぽい・・・
自作している人の大半がベアリングにパラコードを直接接着していたので、中心を焼き固めて取り外しできるようにしています。
これでベアリングの洗浄やメンテナンスが容易に行えるようになりました。
(※作り方はまとめ次第ご紹介します)
早速クルクルを開始。
おお〜 なんか思ってた以上にまーわるー ♪
\ クル クル クル /
すごーい!
\ ギュラ ギュラ ギュラ /
たーのしー!
\ ヒュン ヒュン ヒュン /
ヒャッハーーーーーッッ!
なるほど! これがハンドスピナー !!
これは・・・
そう!あれだ!!
数回遊んだら満足してしまうタイプのやつだな!
どちらかと言うと「パラコードとベアリングを組み合わせて作った」までが楽しくて、実際回してみると「あ、こんなものか・・・」と意外性ゼロな結果に探求心の炎が静かに消えていくのを感じました。
ネタ的には面白みに欠ける展開に、
「やっぱり想像していた通りのアイテムだった」
とか、
「無駄なお金を払わず済んでよかった!」
などと非常にネガティブな感情が湧き上がっては消えていきます。
なぜ「楽しくないのか」を検証してみる
自作したハンドスピナーはベアリングの径が小さいため少しでもバランスが崩れると指と干渉して停止してしまいます。
さらに重量バランスも考えられていないため20秒ほどで回転が止まってしまう始末。
これではハンドスピナーの醍醐味である「長時間回転」を感じる事はできません。
・・・さて、これからどうしたものか。
と、いうことで「検証用サンプル」と称してちゃんとした製品を2種類購入してみました。
(´-`).oO( あぁ、やっぱりいつもの流れだ・・・ )
ちゃんとしたやつを買ってみた
手作りハンドスピナーの精度がイマイチだったので「ちゃんとしたもの」を購入。
主に代表的な形状と思われる2種類を選択しました。
まずはひとつめ。
真鍮製のハンドスピナーです。
費用はあまり掛けたくなかったので1,000円前後のものを探してみました(お値段990円)
精度も高く、細かい部分の造形もしっかりとエッジが立っており好感が持てます。
「トンッ」と弾いて軽く回転、軽い力でもそれなりに回りました。
金属製のため「ズシリ」と重量を感じます。
指先でクルクルしてる様をしばらく眺めてみる↑
なるほど、ちゃんとした製品はそれなりに面白いかも・・・
(何がどう面白いか具体的に説明は難しいのは相変わらずですが)
続いてタイムを計測。
「全力で弾いて高速回転」→「完全に動きが停止するまで」を計ります。
結果は「12秒」
あれ? 意外と回らない!?
自作したパラコードと同じくらいのタイムに驚きが隠せません。
続いてもう一方(三角形)のハンドスピナーを触ってみます。
ボディーはプラスチック製と油断していましたが、なかなかの重量があり暴力的に回転しました。
タイムは「1分41秒」
金属製のスピナーに比べれば検討している方ですが、
「平均4〜6分はスピン!」
とのキャッチで販売されている以上、もう少しタイムが伸びても良いのでは?と思ってしまいます。
とりあえず分解してみる
どちらのスピナーも本体の精度に問題は無さそうなので、核となる「ベアリング」に問題があると判断。
心臓部に触れるレベルまで分解してみます。
まずは「真鍮製スピナー」
ベアリングを含めて5点のパーツで構成されています。
中央のリングを緩めると「ポロッ」とベアリングが外れました。
ベアリングのサイズはヨーヨーで言う「Cサイズ」と呼ばれているもの。
そしてなぜか曲面・・・
(ヨーヨーも作ってる工場製?)
軽く回してみると若干オイルが差してありました。
なるほど、これが回転の阻害をしているようです。
続いて「三角形スピナー」を分解。
「分解」といえど写真の状態が限界でした。
三方にある円形の重りはベアリングが使用されており、ガッツリと固定されています。
例外なく中央のベアリングも固定されており、取り外しは不可能。
ベアリングの径は「真鍮製」のモノと比べると大きめサイズ。
少量ですが低粘度のサラサラオイルが塗布されています。
ベアリングの取り外しが出来ないので「脱脂」することはあきらめました。
ベアリングの脱脂してみる
「三角型」の脱脂は諦めて、「真鍮製」のベアリングをジッポオイルで洗浄。
ベアリングの調整やメンテナンスの詳しい説明はコチラ ↓
金属ボールに沿ってエアダスターを吹き付けて液を飛ばすと、乾燥時間が大幅に短縮できます。
これで「ドライベアリング」が完成。
組み立ててタイムを計測。
おおっ!
脱脂後(ドライベアリング状態)では「2分57秒」(3分近く)まで延びました。
魔法のクスリ「レボリューションBB」
この勢いに乗って、さらにタイムを伸ばすためのひと手間をかけてみます。
ここで登場して頂くのは「レボリューションBB」
ベアリングの回転数が笑えるほど伸びる魔法のクスリです。
詳細は使い方はコチラから↓
慎重に「1滴だけ」垂らして、
ピンセットにベアリングを固定して時計回り→逆回転を1度ずつ施します。
その後、ティッシュペーパーで軽く包んだ状態でエアダスターを噴射。
結果は「3分15秒」
あれ? ・・・意外と延びません。
レボリューションBBの魔法再び! くらいの感動を期待していたので少々残念な展開です。
ベアリングを「良いもの」に換えてみる
ハンドスピナーのキモは「ベアリング」ということが証明されたので、手持ちで一番性能の良いものに換装してみました。
NSKマイクロ製 国産ベアリング (凸型)
ヨーヨーに限り、手持ちのベアリングでは最強だと思うベアリング。
お値段「1,890円」
ハンドスピナー本体より価格高なのが笑えます。
先ほどと同じように「脱脂」のみで計測。
結果は「3分21秒」!!
良いベアリングは確かに「良い物」だった!
続いて「レボリューションBB」にてコーティングして計測。
結果は「3分57秒」となりました。
初期の無印ベアリングに比べると1分近く回転時間が延びたのは嬉しいのですが、よくweb上で見かける「6分台」には程遠い結果です。
その後「ドライ状態のまま」、「コーティング後」とで何度か検証してみましたが、3〜4分台を行ったり来たりでした。
最後に「ダメもと」でレボリューションBBを脱脂処理していないベアリングに塗布。
結果は「2分12秒」と惨敗。
やはり脱脂できないとタイムの伸びは期待できないようです。
いったいどうやったら「6分台」とか回るようになるのか・・・
「ベアリングに処理を施せば6分越えとか余裕っしょw」
と思っていた頃が懐かしい・・・。
そんなこんなで実験を繰り返すうちにトラブルが発生。
ベアリングを格納するネジ山が潰れました \(^o^)/