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今回は「材料さえ揃えば」手軽に作ることができるノートカバーに挑戦してみようと思います。
今回メインで扱う素材はコレ。
業界用語で「ウエスタンクロス」と呼ばれる厚紙です。
「厚紙」と呼んでいますが、水で濡らしても洗濯機に入れて回しても破れることなく耐える堅牢性を誇ります。
身近なところでは「ポケットについたネーム」や「デニムのデザインタグ」等に使われることが多いです。
曲げると適度な「コシ」があり、意図的に割こうとしても結構な力をかけないと破けません。軽い折り目なら数分放置すれば目立たなくなる不思議な紙です。
個人的には「革素材」っぽい? カットしても切った箇所からほつれないので布より加工しやすい素材として重宝していました。
実際にこの素材を使用したノートカバーは無○良品にてすでに販売されており、実物を触った方もいらっしゃるかもしれませんね。
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カバーを作る際、「無地」のまま制作しては無○良品の真似事になってしまうため、表紙のデザインからスタートしたいものですが・・・
さてさて、一体どんなデザインにすれば良いのやら?
せっかく作るんだったらなんかこう・・・ 一回見たらしばらく忘れられない程のインパクトあるデザインにしたい。
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Σ(´Д`) あ!
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前回、凄まじいインパクトを率いて鮮烈なデビューを果たした「つくしプードル」
今この世で一番熱いゆるキャラだと(主に自分の中で)信じて疑わないため、今回はこの素材の持ち味を余すことなく盛り込んでみたいと思います。
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方向性が決まれば早いもので、頭の中には完成像がくっきりと浮かんでいました。
原画を丁寧にスキャニングした後、ものの数分で表紙のデザインは完成。
シンプルなベースに素材の持ち味が「これでもか!」というくらいに濃縮されています。
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しかし・・・ なんというかこれでは大人しすぎる・・・。
もっとこのプードルの禍々しさをなんとか表現できないものか?と悩むこと2分ほど。
先ほど取り込んだ素材をPhotoShopを使用してブラシとして定義。
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ワンクリックする度に「つくしプードル」が1体出現する奇跡が実現しました。
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混沌っぷり(カオス感)を全面に押し出したいためガンガン増殖していきます。
胸焼けが起こるほどプードルで画面を埋め尽くしましたが何か違う・・・
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現状では雑味があるだけでストレートに“禍々しさ”が伝わりません。
これはいけない。
方針を変更して均等に配置。連続して配列することで納得のゆくデザインとなりました。
「模様?」と油断させておいて「実はつくしプードルでしたーっ!」とドヤ顔をする未来の自分を想像してほくそ笑みます。
デザインが落ち着いたところで作成のために必要な材料をパーツ単位で出力。
クラフトっぽい質感とプードルの禍々しさが相まって、なんとも言えない雰囲気を醸し出しています。
個別にカットして寸法をチェック。
糊で各箇所を接着するため周囲をしっかりとマスキング。
※一度ミスプリントをしたため裏面にも模様がある仕様となりました。
次に取り出したのは「ゴム糊」
刷毛にたっぷりと付けて薄く伸ばして行きます。
糊が乾いたのを確認して貼り合わせ。
素材は紙でも制作工程はレザークラフトとなんら変わりません。
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その後ミシンで端っこを慎重に縫っていきます。
ここまで来ると「1枚の紙切れ」から「ノートカバー」として認識できるレベルにまで形付いてくるため、仕上げまでのモチベーションが一気に上昇していくのを感じます。
それなりのクオリティーのものになる確信を持ちながら、ふと表紙に目を止め
(´-`).oO(俺は今・・・ なにを作っているんだ?)
と思った瞬間がありました。
こんなことならもっと真面目にデザインすればよかった・・・。
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表紙と裏面のつなぎ目を縫って固定。
貼り合わせた際に起こる微妙なズレをカッターナイフにて除去します。
“糸のほつれ” が起こりそうな箇所に“メディウム” を塗ると使用時の強度が上がるのでオススメです。
ほつれ止めが乾いたところで完成。
想像していた以上にしっかりとした完成度です。 中央のモチーフ以外は・・・
このクオリティーならば、あの御方もきっと満足していただけるでしょう。
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〜 次の日 〜
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あの御方
事前にデザイナーのMさんへ「こんなの作るけどいる?」と聞いたところ
「欲しいです (๑•̀ㅂ•́)و✧」
と前向きな返事をもらっていました。
(´-`).oO(なんて素敵な笑顔で・・・なんて謙虚な人なんだろう)
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完成した実物を渡すと
「めっちゃ良い!」
と喜んでいました。
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さっそく仕事用のノートに装着。
(´-`).oO(本当に使う気だ・・・打ち合わせとか商談で使うんだ・・・)
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Mさんからノートを借りて再度撮影。
正面は弊社の社名ロゴを盛り込みながらも“つくしプードル”の持ち味が生きてます。
続いて裏面。
ひと目見て「模様」に見える群れ・・・というか群衆。
裏側にさえしておけば普通に「柄」として見えるので、お客様との商談もツッコミを受けることなく乗り切れそうです。
開いた状態。
折り返し部分からチラ見している模様が凄くオシャレですね。
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この素材は使えば使うほどシワや擦れが発生し、表面の印刷は擦れていくため経年での「味」を楽しむことが出来ます。
来年の今頃にはどんな雰囲気になるんだろう? と未来の姿に想像を巡らせ、
「次は自分用にちゃんとしたデザインのものを作ろっ!」
とまだ見ぬ作品へのモチベーションを高まってきたところで今回の〆とさせて頂きます。
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