仕事中にふと顔を上げるとデザイナーのMさんが集中した面持ちで机を仰視していました。
(´-`).oO(あらあら♪アリの行列でも観察してるのかしら?)
数十秒に渡り目力を送ってみたのですが、こちらには全くと言って良いほど振り向くそぶりがありません。
これは・・・ ただ事じゃない。
そっと近づいてコツコツと上下する手の先を見てみると、先端が針のように細くなった鉄筆の先に透明な液体をつけて点描を描いているように見えます。
点描が打ち終わったラベルをなにやら科学的な光を放つ機械へと投入。
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〜 約20秒後 〜
(´Д`)わあお!!
均等に配列された点描が硬化しています。
脇目もふらず作業していたのは、お客様へと提案するデザインサンプルを作成していたようです。
私用で使っているネイル用のUVランプとUVレジンを駆使して“UV印刷”(透明な樹脂の盛り上がりで文字や模様を表現する印刷技術)を簡易的に表現。
通常UV印刷は擬似的に平面上で立体感を再現し、商談の際に
「この部分はUV印刷を用いて盛り上がった感じとなります」
と口頭での説明で済ませるのですが、今回は気合いの入った提案物のため実際のものに近い形を作ると決めたようです。
ひたすら点を打っていく作業は単調に写りますが、実際の労力は集中力と手にかかる負荷との戦い・・・。
途中に雑談でも振って気分転換を促そうと思いましたが、黙々と機械と化し手の先以外は微動だにしない姿を見てしまうと下手な冗談などかけれるような空気ではないことが判り “遠くから見守るモード” へと移行してしまいます。
(´-`).oO(あんなに集中して・・・ぶっ倒れたらどうしよう・・・)
この日は2時間ほどの作業に没頭して精度の高いサンプルが完成しました。
疲れた表情をしていましたが、なんだかやり遂げた感を感じられる表情が印象的です。
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〜 さらに2日後 〜
さらに精度の高い技術を要求される点描を依頼されたらしく、先日を同じく淡々と指先を動かすMさん。
(´-`).oO(なんか装備品とかアイテムが増えてね?)
この日は朝からぶっ通しで2時間半の作業。
午後からの商談に必要だったため、営業のO君に途中急かされつつノンストップで没頭していました。
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終了後、長い緊張状態と指の酷使でヘロヘロになった様子で
「漫画家さんってこんな感じなんですかね? いや〜大変だぁ〜」
と作業の感想を語ってくれました。
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説得力のあるサンプルですが労力とのトレードなため、もう少し簡単にできる方法が無いか検討したいですね。
Mさん、本当にお疲れ様でした。